2017年3月2日木曜日

2017 劇団通信3月号

「今を生きる」ということが人生においてどれだけ大切であるか、人生相談や人間の生き方に関する書物などに必ず出て来る言葉です。確かに過去も未来もない「今」だけが自分の存在だと考えると果たして「今」を最大限に生かしているのか ? いや、ほとんど生かし切れていないことに愕然としてしまいます。

過去のことを悔やんでみても後戻りはできないし、明日のことやこの先どうなるかも分からない未来に対して過分な取り越し苦労をするといったことが日常繰り返され、人間の性(さが)でもありましょうか、誰しもが抱えている厄介な心の乱れがつきまとっているのです。過去の消し去ることの出来ない恥ずかしい思いや失敗などは数限りなくありますがPCのようにクリックひとつで簡単に削除できればどんなにいいだろうと思ってしまいます。どんなに後悔してもしっかり自分の歴史の中に刻み込まれているのですから、それを取り除くことが出来ないことにいつまでもくよくよこだわり続けないで、それらを経て現在があることを過去の蓄積から学びとって修正しながら前向きに生きるべきだと思うのです。

 「今を生きる」ということは過去もない、明日もない、今、この瞬間を精一杯生きることであり、今に集中する、つまり勉強でも仕事でもレッスンでも遊びでも徹底的に集中してやることが大切だということです。今、出来ることに最大の力を注がないで、明日やればいいというように先延ばしにするのは時間の無駄遣いをしているようなものです。今の瞬間はすぐ過去になっていきます。1分1秒を大切にする人こそ価値ある人生が与えられるのではないでしょうか。